It’s a small worldを発表会で弾いた話

小学生の頃通っていたピアノ教室は先生の自宅を教室としておりこじんまりとしていて、でもアットホームで毎週ピアノ教室の日が楽しみでした。丁寧に教えてくれて、しっかり練習していくとちゃんと褒めてくれて、あまり練習していかなかった時はすぐにバレて優しく叱ってくれる先生でした。

ピアノ発表会の練習

その日は発表会の練習で、個人のピアノレッスンの後で発表会でピアノと別に披露する教室全体のコーラスのレッスンがあった為10人くらいの生徒さんが集まっていました。何の曲を歌うのかは知らされておらず、みんなでピアノを囲み先生が『この曲をみんなで歌おうと思います。知ってるかな?』といたずらっぽい表情で私達を見渡しピアノを弾き始めました。その曲は私がよく知っている『It’s a small world』でした。知らない生徒さんもおり歌詞付きの楽譜が配られ先生がお手本で歌ってくれた後で少しずつ練習をしていきました。途中で休憩を挟み、先生が特別に用意してくれたクッキーをつまみオレンジジュースを飲みながら『全然覚えられないよ〜』『私もう完璧』『この曲ってディズニーランドで流れてるよね』などみんなで曲について和気藹々と話をしていました。私はといえば、こみ上げる思いに涙をこらえるので必死でした。休憩が救いでみんなが曲の話をしてる間、私はひたすらクッキーのことだけに集中し何とか再び平常心に戻ることができました。母はレッスンの様子を見ており私の強ばった表情に『どうしたの?』と心配そうでしたが、もし話したら話の途中で泣き始めてしまいそうな気がしたので『そう?真剣だからかな?』と咄嗟にごまかしました。

It’s a small world

『It’s a small world』は私にとって思い出の曲でした。大分に住んでいた私は1年に1度夏休みに東京のいとこ達が大分に来るのが楽しみでした。その年は何故だかは忘れてしまいましたが私が家族と一緒に東京へ行きいとこ達と初めてのディズニーランドに連れて行ってもらいました。色んな乗り物に乗り、勿論Its a small worldにも乗りこんなに楽しい時間があるのか!と満喫しました。ディズニーランド以外でも上野動物園に行ったりいとこ達と楽しい時間を過ごした分、大分に戻る時には次会えるのが1年後になると思うと悲しくて、寂しくて東京と大分はどうしてこんなにも遠いのか、どんなに頑張っても歩いて行けないのか泣いたのを覚えています。そんな東京旅行から数ヶ月経っていたのですが先生が奏でる美しい『Its a small world』を聞いた瞬間に東京での貴重な時間が走馬灯のように甦り、交わした会話や匂い、沢山の笑顔を思い出しこみ上げる思いを抑えるのに必死でした。そして初めて歌詞の意味を考えながら歌うことによってそのメロディーラインを懐かしく思うだけでなく、歌詞が今の自分の気持ちとリンクしていることに気付きました。

まとめ

今なら会いたければ飛行機に乗っていつでも自分の意思で会いにいけますが、あの頃の小学生の自分にとって東京と大分はあまりに遠く東京と大分は違う世界でした。でも曲の中では『小さな世界だよ』と歌っていて、きっと今の自分には小学校の中の世界が全てだけれども少しずつ世界が広がっていって東京と大分の距離が気にならなくなる日がきっと来るんだと少し勇気づけられた気がしました。休憩が終わり通しで歌ってみることになり、また先生の優しいピアノが始まり、歌ったのですが途中からどうにも堪えきれず号泣してしまいみんながびっくりしていたのを今でも覚えています。

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